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第4期中期目標期間における新潟大学財務運営基本方針(NU財務イニシアチブ)・新潟大学中期財務計画

第4期中期目標期間における新潟大学財務運営基本方針(NU財務イニシアチブ)

令和4年3月18日 学長決定

1.趣旨・目的

新潟大学は、VUCA*1時代における社会変革や地域の課題解決を主導することを求められており、「新潟大学将来ビジョン2030」において「学長のリーダーシップの下で組織の最適化を図り、新潟大学基金を核とした外部資金の充実と、その他の学内外の多様な資源の活用を通して、地域とともに持続的に発展する活力溢れる大学となる。」と掲げている。一方で、依然として国の財政状況は厳しいことから、国からの支援増額は期待し難く、運営費交付金においては評価による交付額の変動拡大が見込まれており、所要の財源は更なる自己努力により確保せざるを得ない状況にある。

本方針は、このような厳しい財務状況の中、新潟大学将来ビジョン2030の実現および第4期中期目標・中期計画の達成を目的とし、財務構造改革を行い従前の「教育研究等の成果及び決算分析等に基づく次年度予算への反映(PDCAサイクル)」に加え「急速な社会変革に対応した機能強化を推進する柔軟な運営(OODAループ*2)」を併せ持つ野心的な財務運営を行うための基本方針を示すものである。

なお、国の諸制度の改正や運営費交付金配分ルール等の変更が行われた場合、本方針についても随時見直しを図ることとする。

2.課題

  • 運営費交付金等の収入の不確実性への対応
  • 「第4期中期目標計画」のための新たな活動財源の確保が必要
  • 活用しやすい財務構造の維持、運用の見える化と情報の活用が必要
  • 外部資金受入額の大幅増が必要
  • 教員人件費等において年度途中でも状況に応じた見直しができる体制が必要
  • 施設の老朽化対策や設備更新に対する計画的な財源確保が必要
  • 激変する医療環境下での医歯学総合病院における戦略的かつ健全な経営の推進

3.方針

  1. 第4期中期目標・中期計画等の達成への重点投資
    新潟大学将来ビジョン2030の実現、第4期中期目標・中期計画等の達成、社会の要請に応えることを目的とし第4期中期目標期間における重点支援事業への集中投資を行う。
    また、学長を中心としたガバナンス体制強化の一環として、学系等における裁量経費の拡大などにより、マネジメントの強化を図る。さらに必要に応じて、年度の区切りを待たずに全学的な視点から配分状況を見直し、重点支援事業への追加投資を行うなど資源再配分を戦略的かつ柔軟に行う。
  2. コストの見える化による財務運営マネジメントサイクルの実現
    決算分析等に基づく学内資源配分の検証スキームを刷新し「①適正な学内資源配分、②計画の実行、③費用対効果の検証、④検証に基づく資源配分の見直し」というサイクルを実現する予算構造を構築する。これにより基盤的な経費のコストの最適化を図り続け所要の財源を確保する。また、学内外の様々なステークホルダーに対して、教育・研究コスト等の開示に留まらない、本学の特色あるアウトプット・アウトカム等を反映させた戦略的な情報開示を行う。
  3. 多様な財源の拡大
    本学のミッション実現のため、マネジメント改革や教育・研究の更なる質の向上により、社会的インパクトの創出を図り、ひいては運営費交付金の確保とあわせて多様な財源の拡大を目指す。多様なステークホルダーとのエンゲージメントを通じた信頼関係の構築を促進し、国・地方自治体等の補助金や寄附金等外部資金獲得額の増、間接経費の増、施設の利活用による収入増など多様な財源の獲得に向けた取組を積極的に推進する。
  4. 機動的な投資
    第4期中期目標・中期計画の達成に向け、機動的な投資の仕組みを取り入れる。
    産学官連携の更なる推進のため、間接経費の獲得に連動した機動的な支援活動を可能とするとともに、大学運営経費へ還流させる仕組みを構築する。 また、剰余金の活用方策や余裕財源を活用した事業推進のための先行投資等が可能な仕組みについて再整理を行う。
  5. 人件費の管理
    厳しい財務状況のなか人件費の管理を適切に行う。とりわけ教員人件費については、ポイント制による教員人件費管理方法により戦略的かつ柔軟な資源配分と適切な管理を行う。
  6. 計画に基づく全学体制の施設・設備整備
    「新潟大学キャンパスマスタープラン施設整備アクションプラン」及び「設備マスタープラン」を基に、補助金等の多様な財源を活用し中長期的な視野で計画的かつ継続的に全学体制の施設・設備整備を行い、キャンパス全体のイノベーション・コモンズ(共創拠点)*3化を推進する。
  7. 繰越財源の活用
    繰越し財源を活用した戦略的な投資を行う。また外的要因により財源縮小が生じた際にはその影響を緩和するため繰越財源を活用する。
  8. 医歯学総合病院の健全経営
    「医歯学総合病院の理念・目標」を大学病院として果たすべきミッションとし、これを実現するため、各種統計データ等を踏まえた病院の経営・運営改善や機能強化策を実施し、戦略的かつ健全な経営を行う。

4.予算編成

本方針を基に、各年度の予算編成基本方針を定め、毎年度、投資状況、業務運営状況等の評価・見直しを行い、本学の機能強化促進に資する予算を策定する。

 

*1「VUCA(ブーカ)」-先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態
*2「OODA(ウーダ)ループ」-不明確で常に変化していく状況の中で、現状にあるものから最善の判断を下し、即座に行動を起こすことを目的としたフレームワーク
*3「イノベーション・コモンズ(共創拠点)」-ソフト・ハードの取組が一体となり、対面とオンラインとのコミュニケーションを融合させながら、あらゆる分野、あらゆる場面で、あらゆるプレーヤーが「共創」できるキャンパス

 

 


PDF版

第4期中期目標期間における新潟大学財務運営基本方針(NU財務イニシアチブ)(PDF:238KB)