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第4期中期目標期間における新潟大学財務運営基本方針(NU財務イニシアチブ)・新潟大学中期財務計画

新潟大学中期財務計画(令和4~9年度)

令和4年3月18日 学長決定
令和4年9月13日   更新

新潟大学中期財務計画は「第4期中期目標期間における新潟大学財務運営基本方針~NU財務イニシアチブ~(令和4年3月18日学長決定)」(以下、「基本方針」という。)に基づき、第4期中期目標期間6年間の財務計画を策定するものである。

中期財務計画策定の基本的な考え方 第4期中期目標期間中は、運営費交付金の実質減、教員人事ポイント単価の上昇や電子資産経費高騰が想定され、他方、新しい中期目標・中期計画を推進するために機動的な戦略的経費の確保を行う必要がある。このような財政状況の中で、中期的な観点から教育研究体制を維持し、第4期中期目標・中期計画を機動的に推進するため、次の経費を確保することが重要である。

  • 一定の教員人事ポイント維持のための経費
  • 一定の教員当経費・学生当経費維持のための経費
  • 中期目標・中期計画を推進するための経費

これらを遂行するために学系等の理解と協力のもと、人件費管理、コストの見直し、間接経費の活用による負担の見直し、外部資金を積極的に獲得する等、収支均衡のための施策を検討実施する。 なお、本計画は必要に応じて見直しを実施する。

Ⅰ.収支均衡に向けた積算推計の考え方

1.予算のセグメント

財源の性質及びその使途を踏まえ、予算を以下の3つにセグメントする。

セグメント 内容
大学 運営費交付金、学生納付金及び間接経費等を財源として、人件費、教育研究に必要な経費、研究推進・産学地域連携の支援、施設整備に必要な経費、大学改革プロジェクト経費等に充当。
病院 病院収入及び運営費交付金等を財源として、人件費、診療に必要な経費等に充当。
外部資金 科研費、受託研究、共同研究、寄附金等。

※上記のほか、第3期中期目標期間からの繰越分(目的積立金)。

2-1.大学セグメントの予算構造

支出予算科目を再整理して、柔軟で機動的な予算執行をさらに進めるために予算の大括り化と年度を超えた(中期期間中)計画的な執行を維持する。さらに結果の検証・分析を行い、これを基に必要な経費等を見直し、予算の積算に活用することを中期的に目指せる構造とする。

予算科目 内容
人件費 全学で管理する教職員、非常勤職員等の人件費(退職金等含む)で構成する。
基盤的経費 教育研究のための活動・環境整備等に係る経費、一般運営費、水道光熱費等の運営上の基盤となる必要な経費で構成する。 教育研究活動及び環境整備等に係る経費として「教育研究経費」を新設し、学系等における教育・研究活動を一体的に運営するため学生教育充実経費と教員当経費を統合する。
戦略的経費 学長のリーダーシップの下で第4期中期目標の着実な達成やミッション実現に資する事業に必要な経費として以下の3つで構成する。 ①学長による全学的マネジメント強化を図るための「大学改革プロジェクト経費」を新設する(旧学長裁量経費の構造を見直し、主に運営費交付金で措置されるミッション実現戦略経費、法人運営活性化支援経費、学長裁量経費等による戦略的な事業推進経費)。 ②学系等のマネジメント強化を図るための「学系等マネジメント経費」を新設する(学系長等裁量経費と教育研究活動等支援経費を統合)。 ③「共通政策課題分経費」(運営費交付金で措置される拠点経費や基盤的設備等整備分等)。
研究推進経費 研究企画推進・強化による競争的資金獲得の増加等のために必要な経費を新設する。
産学地域連携経費 産学連携セグメントを再構築し、民間や自治体等からの共同研究獲得額増加や地域課題解決のための地域との連携強化など、産学地域連携活動を行うために必要な経費を新設する。
施設費 施設整備費補助金、施設費交付事業、特殊要因運営費交付金等を財源として施設整備事業に必要な経費で構成する。
予備費 緊急的に追加で実施すべき事業等のための予備費とする。

2-2.大学セグメントの収入予算の見通し

運営費交付金

令和4年度措置額を基に積算する。 但し、以下の変動を考慮する。

令和5年度以降は、ミッション実現加速化係数前年度比▲1.2%減
令和6年度以降は、法人運営活性化支援分0.65億円/年が、第3期中期目標期間終了時評価により減額されることを想定する。
令和5年度以降は、概算要求における教育研究組織改革分及び基盤的設備等整備分の採択を目指し、ミッション実現加速化係数による減額分を確保する。 【設定・・・概算要求採択による増 0.84億円/年】※過去の実績等を基に積算

※上記以外に、共通指標の評価により0.2~0.5億円/年の増減が見込まれるが、現状、大きな増減の差が生じる想定をしないこととし、変動要因からは除外している。

学生納付金等

授業料免除実績による増減があるものの、免除実績に応じた修学支援新制度による授業料等減免費交付金が交付されるため、同額を積算する。

間接経費

令和2年度収入実績を基に積算する。

積極的な外部資金獲得のための施策の実施により、第3期中の上昇率を確保することとし積算する。 外部資金収入を反映させた産学官地域共創推進マネジメントへの積極的投資によって外部資金獲得の大幅増を進める。 【設定・・・間接経費の収入増額:0.6億円/年(令和5年度~令和9年度)(令和9年度における当初年度比3億円増)】
産学連携強化経費についても、間接経費の上昇率確保に合わせて積算を行う。 【設定・・・産学連携強化経費の収入増額:0.05億円/年(令和5年度~令和9年度)(令和9年度における当初年度比0.25億円増)】

施設整備費補助金

令和4年度措置額を基に積算する。

前年度繰越予算(目的積立金以外)

令和3年度実績額を基に積算する。主に目的積立金以外の使途が特定された事業費予算を計上し、当該額は繰越を行った翌事業年度に執行されるものとする。

2-3.大学セグメントの支出予算の見通し

人件費

・人件費(教員)

令和4年度の教員人事ポイント(令和3年度の配分ポイントと同数:「第4期初年度(令和4年度)における暫定的な教員人事ポイント制度について」(令和3年3月18日役員会決定))に相当する教員人件費(9,000百万円)とする。
なお、変動環境下でも着実な教員採用計画の実施を可能とするために、令和3年度教員人事ポイント総数を維持し、若手教員の雇用推奨などを図りつつ、教員人件費は中期的に一定額を措置する。
【設定・・・教員人件費一定化(令和4~令和9年度:90億円)】
また、人事院勧告に対する令和4年6月決定の対応(0.15月分の引き下げ)を反映した。
ただし、実情等を勘案し、必要に応じて令和6年度以降見直しを行うこととする。

基盤的経費

・教育研究経費(学生当経費・教員当経費)

教育研究のための活動・環境整備等に係る必要な経費を計上する。 学生当経費は、教育に係る必要な経費として、学生数に応じて学種ごとの単価(令和3年度と同額)により算定し積算する。
教員当経費は、教員数に応じて単価(令和3年度と同額)により算定し積算する。ただし、各学系及び脳研究所への配分については、令和3年度と同様に平成29年度配分額と同額とする。
学系等における教育・研究活動を一体的に運営するため、学生教育充実経費と教員当経費を統合し、柔軟な配分・執行を可能とする。なお、執行結果は、各学部・研究科等毎に教育経費・研究経費と区分し、財務諸表(附属明細書:開示すべきセグメント情報)に反映し公表することになる。

・水道光熱費

令和4年度においては、上半期の実績を踏まえ、水道光熱費の高騰を見込んで積算し、令和5年度以降は一定の縮減努力(0.1億円/年)を行うものとする。

・設備整備経費

令和3年度と同様に、対象設備となっている教育設備及び研究設備について設備維持運営費を算定し積算する。また、教育研究環境強化のため、設備共用マスタープランに基づき計画的に新規設備導入を図る目的で、設備整備経費(0.5億円/年)を確保する。

・一般運営費

上記の教育研究経費、水道光熱費、設備整備経費以外の教育・研究・管理等に必要な経費を確保する。

財務会計のDX化推進によりコストの見える化を実施する。それにより適正なコストを把握し合理化を図り、全学的な活用を進める。
【設定・・・合理化による削減額:▲0.3億円/年(令和5~令和9年度)(令和9年度における当初年度比1.5億円減) 】
さらに収支を調整するため、縮減努力を行う。
【設定・・・収支調整のための削減額:約▲0.3億円(令和5~令和9年度)】
・電子資産経費

電子ジャーナル経費等、全学の電子資産に係る経費を計上する。

【設定・・・電子資産の高騰化:+0.5億円/年(令和5~令和9年度)(令和9年度における当初年度比2.5億円増)】

戦略的経費

・大学改革プロジェクト経費

旧学長裁量経費を見直し、学長のリーダーシップの下で新潟大学将来ビジョン2030の実現、第4期中期目標・中期計画等の達成、社会の要請に応えることを目的とし、重点支援事業へ集中投資することにより、社会的インパクトの創出を目指す。
また、本経費内に新たに「ミッション加速経費」を計上し、本学の経営基盤の強化、組織的個性化の推進、大規模補助事業獲得等の第4期に取組む事業をスタートアップさせる経費として活用する。

一般運営費の合理化による削減額の一部を、戦略的経費へ転換する。
【設定・・・戦略的経費への転換:+0.05億円/年(令和5~令和9年度)(令和9年度における当初年度比0.25億円増)】
法人運営活性化支援分の減額に対応して、同額分を削減する。
【設定・・・法人運営活性化支援分終了に伴う減:▲0.65億円/年(令和6~令和9年度)】
・学系等マネジメント経費

学長を中心としたガバナンス体制強化の一環として、学系等(各学系、附置研究所、全学共同教育研究組織、附属学校部)のマネジメント強化を図り、各学部・研究科等における第4期中期目標・中期計画達成への推進強化、「成果を中心とする実績状況に基づく配分」への対応等の取組を支援するための経費を計上する。

間接経費の収入増額に対応して、年45%を増額する。
【設定・・・間接経費収入相当額分:+0.27億円/年(令和5~令和9年度)(令和9年度における当初年度比1.35億円増)】
・共通政策課題分経費

運営費交付金で措置される拠点経費や基盤的設備等整備分等を計上する。

研究推進経費

ライフ・イノベーションを中心とした研究企画推進・強化による競争的資金の獲得増加を目指し、体制及び研究人材育成を強化するために研究推進経費を措置する。措置額は間接経費収入相当額の一部を反映するものとする。

間接経費の収入増額に対応して、一定率を配分する。
【設定・・・間接経費収入相当額分:+0.11億円/年(令和5~令和9年度)(令和9年度における当初年度比0.55億円増)】

産学地域連携経費

ライフ・イノベーションを中心とした産学連携及び地域共創を強化するための体制並びに知的財産の管理・移転を強化するために産学地域連携経費を措置する。措置額は間接経費収入相当額の一部及び産学連携強化経費収入相当額を反映するものとする。

間接経費の収入増額に対応して、一定率を配分する。また、産学連携強化経費の収入増額に対応する。
【設定・・・間接経費等収入相当額分:+0.08億円/年(令和5~令和9年度)(令和9年度における当初年度比0.4億円増)】

施設費

施設の管理・運営に係る経費を確保する。また、「新潟大学キャンパスマスタープラン施設整備アクションプラン」に基づいた、長寿命化等に係る整備等について、施設費を確保・活用し魅力的なキャンパスの計画的な整備を図る。

予備費

緊急的に追加で実施すべき事業等のための予備費を確保する。

毎年一定額を調整する。
また、支出増に見合うべく縮減を行う。
【設定・・・調整額:▲0.8億円/年(令和5~令和9年度)】

その他の繰越事業費

前中期目標期間繰越積立金となった退職手当等の令和3年度決算額を計上する。

3-1.病院セグメントの予算構造

基本方針において、『「医歯学総合病院の理念・目標」を大学病院として果たすべきミッションとし、これを実現するため、各種統計データ等を踏まえた病院の経営・運営改善や機能強化策を実施し、戦略的かつ健全な経営を行う。』としている。病院セグメントにおける中期的な投資計画や収支改善の取り組みを財務的観点から適切に把握するため、以下の予算構造とする。

予算科目内容 内容
人件費 病院で管理する教職員、非常勤職員等の人件費(退職金等含む)で構成する。
診療経費 材料費、委託費、保守・修繕費等の診療報酬獲得に必要となる経費で構成する。
債務償還経費 法人化前の借入金承継分(機構債務負担金)及び法人化後の新規借入金の返済に必要な経費で構成する。
一般管理費等 卒後臨床研修等の教育経費や臨床研究支援等の研究経費及びその他教育・研究・診療以外の業務に要する一般管理費等で構成する。
病院特別医療機器設備 長期借入金を財源として医療機器整備事業に必要な経費で構成する。
施設費 施設整備費補助金、長期借入金を財源として施設整備事業に必要な経費で構成する。

3-2.病院セグメントの収入予算の見通し

運営費交付金

令和4年度措置額を基に積算する。
ただし、令和5年度以降は、ミッション実現加速化係数前年度比▲1.2%減を考慮する。

病院収入

令和4年度の収入見込額を基に積算する。

令和5年度以降は新型コロナウイルスによる大きな影響は見込まず、診療報酬改定を考慮し積算する。
【設定・・・2年ごとに▲0.5%のマイナス改定(令和5~令和9年度)(令和9年度における令和5年度比3.2億円減)】

その他収入

令和4年度の収入見込額を基に積算する。

施設整備費補助金

・施設整備費補助金

現時点では見込まないものとする。

・長期借入金

中長期設備投資計画(以下、「Nuh-LIP」という。)を基に各年度の借入見込額を計上する。

前年度繰越予算等

退職給付引当金等について、令和4年度の見込額を基に計上する。

3-3.病院セグメントの支出予算の見通し

人件費

令和4年度の支出見込額を基に積算する。

診療経費

・材料費

令和4年度の支出見込額を基に積算する。令和5年度以降は高額医薬品の増や新薬導入による医薬品費の増、物価上昇等による医療材料費の高騰が想定されるが、医薬品プロジェクト等の収支改善の取り組みによりコストの削減を図り、同額での推移を見込む。

・委託費

令和4年度の支出見込額を基に積算する。

令和5年度以降は、人件費コストの増が見込まれるものの、人員配置を含めた業務内容の見直し等によりコストの削減を図る。しかし、物価上昇等も見込まれるため、増加傾向で計上する。
【設定・・・+0.3%の増加率(令和5~令和9年度)(令和9年度における当初年度比0.35億円増)】
・保守・修繕費

令和4年度の支出見込額を基に積算する。

令和5年度以降は、Nuh-LIPによる整備機器等の保守を想定し、一定額を計上する。
【設定・・・+1.0億円を計上(令和5~令和9年度)】
・リース料

現行リース契約に基づく支出見込額を計上する。

・研修費

令和4年度の支出見込額と同額を計上する。

・経費(光熱水料等)

光熱水料の高騰を踏まえ算定する。令和5年度以降についても、単価の動向等が不透明なため、令和4年度と同額を計上する。

・設備投資

Nuh-LIP等に基づき、診療経費を財源に実施する医療機器整備費、施設設備整備費を計上する。

債務償還経費

借入元との契約内容に基づく返済予定額を計上する。

一般管理費等

令和4年度の支出見込額と同額を計上する。

病院特別医療機械設備

Nuh-LIPに基づき、長期借入金を財源に実施する医療機器整備費を計上する。

施設費

現時点では見込まないものとする。

目的積立金(前年度からの繰越額)

前年度発生した退職給付引当金を除く収支差及び目的積立金の収支差の合計額を医療機器整備の財源として計上する。

Nuh-LIP

Nuh-LIPに基づき、目的積立金を財源に実施する医療機器整備費を計上する。

4-1.外部資金セグメントの予算構造

予算科目内容 内容
科学研究費等補助金 科学研究費補助金
受託研究費等 受託研究費、共同研究費、受託事業費、共同事業費
補助金 補助金
寄附金 寄附金、大学基金
助成金等 研究助成金

4-1.外部資金セグメントの予算構造

科学研究費補助金、受託研究費等

科学研究費補助金、受託研究費等については、間接経費収入の獲得額より直接経費の額を積算している。

補助金、寄附金、助成金等

科学研究費補助金、受託研究費等の中期財務計画期間における平均伸び率5.7%により受入増額を積算している。

Ⅱ.第4期中の検討課題と見直しすべき点

1 学系等配置の教員人事ポイント及び教育研究経費の安定的配置のための施策検討

第4期中期目標期間中において、経年に伴う若手教員比率の減少等による人事ポイント単価上昇、運営費交付金の大きな変動が想定される。このような環境下でも学系等に配置された教員人事ポイントおよび教育研究経費を安定して確保するために、以下の施策について議論する。

  • 若手教員採用の促進
  • 教員人事ポイントの未使用ポイントの有効的な活用制度
  • 電子資産の高騰に対する負担の在り方

これらの取組の結果と運営費交付金の変動や外部資金獲得状況を基に、令和6年度中に教員人事ポイント制度の見直しを含めた持続可能な財務構造の再構築を図る。

2 第4期中期目標達成のための事業推進策の検討

第4期中期目標達成のための事業推進策として、以下について検討する。

  • 全学的なDX推進やスマートキャンパス化等を含む第4期中期目標を達成するための推進体制と事業費について、第3期における体制からの移行も含め検討する。
  • 多様な財源の獲得を推進するために、概算要求「教育研究組織改革分(学内資源の再配分)」も含めた競争的資金の積極的な獲得を計画的に推進する。このためにUA制度を核に、全学的な企画実施の強化を検討する。
  • 寄附金等の余裕資金を活用した機能強化推進スキームについて検討する。

3 インフラ長寿命化等に係る整備のための経費運用策の検討

インフラ長寿命化計画の実施においては、以下の経費を全学的な観点で統合運用する必要があり、その方策を検討する。

  • 学系等における修繕補修等を行う基盤的経費
  • 全学スペースマネジメントによる全学共用スペース利用料
  • 第3期からの目的積立金

4 外部資金(寄附金を含む)獲得額を増加させるための全学的な取組策の検討

競争的資金の獲得を定常的に発展させるため、参画教員の拡大方策を検討する。

5 コストの見える化による財務運営マネジメントサイクルの検討

財務会計のDX化推進により、必要額を把握し全学的活用を推進する方策を検討する。

Ⅲ.その他

本計画は必要に応じて見直しを実施する。

 

 


PDF版

新潟大学中期財務計画(令和4~9年度)(PDF:522KB)