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【学生の皆さんへ】学長メッセージ-2023年度の新学期に-(2023年4月21日掲載)

2023年04月21日 金曜日 お知らせ

新潟大学長 牛木辰男

今年は、例年になく桜の開花が早く駆け足で過ぎていくような春の中での新学期となりました。その中で、コロナ禍も3年が過ぎ、ようやく出口が見え始めてきました。

世間ではマスクの着用についても基本的には個人の判断にゆだねることになってきています。スポーツ観戦などでの声を出した応援も可能になり、大学での授業も対面授業を原則とする方向に戻りました。5月の連休明けには、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の扱いも、感染症法上の位置づけが変更されて5類感染症に移行することから、陽性者の自宅待機期間も変更となり、保健所から「濃厚接触者」と特定されたり、法律に基づく濃厚接触者の外出自粛も求められなくなります。医療機関での取り扱いや、大学への届け出のしくみも変わってきますので、大学の関連ページの内容に注意していただきたいと思います。そこには感染防止のための行動指針の最新版も掲載されていますので、参考にしてください。その上で、皆さんのこれからの大学生活が彩のあるものとなることを心から祈るものです。

ところで、コロナ禍が収束したわけではないことは忘れないでいていただきたいと思います。厚生労働省が2月に実施した調査では、COVID-19のN抗体保有率は日本全体で42.3%でした。このN抗体保有率というのは、自然感染をした人の割合を知るためのものです。したがって、この3年間で国民の4割程度がすでに感染したことを示していることになります。欧米でのN抗体保有率が8割またはそれ以上であることと比べると、日本の感染予防対策がよく機能してきたことを示すものですが、一方で、まだN抗体保有者の割合が少ない日本は、逆に感染の機会がまだ大きいことは知っておく必要があるでしょう。とくに、新潟県のN抗体保有率は33.5%ですから注意は必要です。

たとえば基礎疾患を持った方や、高齢者においてのリスクがなくなったわけではありません。その点で、いたずらに臆病になる必要はありませんが、病院や介護施設はもちろんのこと、満員電車や換気の悪い場所でのマスクの着用などの配慮はまだ必要でしょう。自分のまわりの混雑具合や、COVID-19の感染状況、周囲にどんな人がいるかなどを考えながら、特に、自分が感染した場合のリスクだけでなく、他人への配慮を忘れないことが、もっとも大切なことだと思います。調子の悪い時は無理をしないで外出を控え休養をとることはもちろんですが、自身が濃厚接触者と考えられる場合はむやみに出歩かないなどの配慮が必要でしょう。そうした他者に優しい、他者への配慮ができる大学生であっていただきたいと思います。

また、これまでも伝えてきましたが、学生生活の中でつらいことや困ったことがあれば、まずは指導教員または所属する学部・大学院の学務係に相談してください。もちろん、家族や友人などの信頼できる人に話に乗ってもらうのもいいでしょう。心理的なことや経済的なことでの悩みについての相談窓口として、「学生なんでも相談窓口」と「新型コロナ対策緊急学生サポート窓口」がありますので、これも利用してください。

特に、この3年間で社会のさまざまなことが大きく変化しました。それは自分で気づかないとしても大きなストレスになっていることもあります。少しでもストレスや不安を感じたら、一人で抱え込まないで、だれかに相談をしてみてください。皆さんは決して一人ではありません。

大学は「知の拠点」です。そして、新潟大学は大規模総合大学として、さまざまな学問分野のエキスパートが集まっています。皆さんは自分の専門分野はもちろんですが、そこに限らない様々な学びを得ることができます。これからは、また海外留学という機会もたくさん出てくるでしょうし、コロナ禍の経験を生かしたオンラインとリアルが融合したさまざまな活動も進んでいくでしょう。是非とも、大学にいる間に、多様な経験と、さまざまな人との出会いをしていただきたいと思います。それが必ず皆さんの将来の宝となり、大きな力になるはずです。学問への夢と情熱を忘れずに、学生生活を有意義に過ごしていただきたいと思います。

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