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新潟大学におけるダイバーシティ推進宣言

新潟大学における性の多様性に関する基本理念と対応ガイドライン

新潟大学ダイバーシティ推進委員会
令和4年9月9日策定

新潟大学(以下「本学」という)では、令和2年3月に策定し、令和4年9月に改訂した「新潟大学におけるダイバーシティ推進宣言」において、「より一層ダイバーシティ(多様性)を進め、インクルージョン(受容し活かすこと)を実現するために、ジェンダー、性的指向・性自認、年齢、国籍、宗教、障がいの有無などの違いにかかわらず、構成員一人一人が互いを尊重し合いながら協働し、能力や個性を発揮し、知を創造しうる環境を整えます。」と学内外に広く宣言しています。

本ガイドラインは、同宣言を踏まえ、本学の全構成員の性の多様性に関する各自の個性や思いが尊重され、安心して修学、就労できる環境を整備するために必要な事項を定めるものです。

Ⅰ 基本理念

  1. 性の多様性を尊重し、理解促進に努めるとともに、相談しやすい体制を整備します。
  2. 性のありようによる差別やハラスメントに繋がる言動を禁止するとともに、その防止に努めます。
  3. 性に関する各自の個性や思いを尊重し、適切な対応・支援を行います。

Ⅱ 多様な性を理解し尊重するための対応

上記基本理念に基づいた具体的な対応を以下のとおり定め、本学の全構成員の性の多様性に関する理解促進を図るとともに、全学的な取組推進に努めます。

1 基本的用語について

(1) 性の権利(Sexual Rights)
一人一人の顔や身体が異なっているように、セクシュアリティ(性のありよう)も人それぞれです。全ての人は自分のセクシュアリティを大切に育む権利を持っています。それは、基本的人権の「尊厳」に関わる、決して侵害されてはならないものです。

(2) 性的指向(Sexual Orientation)
どのような性を好きになるかといった、人の恋愛の感情がどういう対象に向けられているのかを示す概念です。
例えば、女性を好きになる女性であるレズビアン(Lesbian)、男性を好きになる男性であるゲイ(Gay)、女性も男性も好きになるバイセクシュアル(Bisexual)、異性を好きになるヘテロセクシュアル(Heterosexual)、好きになる性が決まっていないクエスチョニング(Questioning)、性別に関わらず他人に対して恋愛的魅力をほとんど、あるいは全く感じないアロマンティック(Aromantic)、性別に関わらず他人に対して性的魅力をほとんど、あるいは全く感じないアセクシュアル(Asexual)等の多様性があることが知られています。

(3) 性自認(Gender Identity)
自分の性をどのように認識しているのかを示す概念です。
例えば、生まれた時に戸籍等において割り当てられた性別とは異なる性別で生きる(あるいは生きたいと望む)トランスジェンダー(Transgender)、 生まれた時に割り当てられた性別で生きておりその性別と同じ性別であると自身を認識しているシスジェンダー(Cisgender)、自身を男性、女性いずれの性別にも合致しないと認識するエックスジェンダー(X-gender)、自身の性別をどのように認識するかが決まっていないクエスチョニング(Questioning)等の多様性があることが知られています。

(4) SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)
性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字をとった、性をめぐる多様なありようを表わす用語の略称であり、「ソジ」といいます。
SOGIの概念にはあらゆる組み合わせのセクシャリティが含まれており、全ての人が多様な性のありようを自分のこととしてとらえ、理解するための考え方でもあります。

2 対応・支援の基本について

(1) 性の多様性を理解する
多様な性についての理解を深め、受け入れ、尊重することは、人間の多様性を大切にし、お互いを認め合うことに繋がります。
性は一義的には身体に関することですが、決して身体内部で完結している生物学的な現象だけではありません。性は社会的、心理的、歴史的な要素が絡み合いながら、それぞれの社会の中で形作られてきました。「女らしさ」、「男らしさ」や何が「性的」であるかが、時代や社会、文化によって異なっているのはこのためです。それゆえ、全ての人が性のありように関する当事者であるという視点から性に関する理解を深めることが大切です。
多様な性に対する差別的な発言はもちろん、「外見だけで性別を判断する」、「恋人を異性と決めつける」などの行為は、もしかしたら身近な誰かを傷つけているかもしれません。

(2) カミングアウトへの対応
当事者が自らの性的指向や性自認を打ち明けることを「カミングアウト」といいます。カミングアウトは、自分自身の判断により、自分自身が望む範囲で、慎重に行いましょう。カミングアウトについて、修学上又は就労上で困っていることがあり、誰かに相談したいときは、「Ⅱ 3 相談窓口」に記載してある「性の多様性・SOGI相談窓口」に相談することもできます。
なお、友人等からカミングアウトされたときは、相手の気持ちを受け止めることを心がけましょう。評価したり、意見を述べるよりも、まずは、打ち明けてくれたことに感謝の言葉を返してください。誰かに相談したくなるかもしれませんが、その相手は慎重に選ぶ必要があります。

(3) アウティングの禁止
カミングアウトしたこと自体やその内容を、当事者の意に反して第三者に暴露することを「アウティング」といいます。これは本人を深く傷つけ、意識的、無意識的な差別を背景として、当事者に大きな精神的苦痛を与えます。たとえ善意のつもりであっても、本人の同意を得ていない状態で、その情報を他の人に伝えるアウティングは、決して許されない行為です。

(4) アライ(よき理解者)になる
「アライ」とは、英語の「同盟」を意味する「ally」を語源とする言葉で、性の多様性を理解し、意識的に行動していこうとする人のことです。
例えば、日常的に「彼氏」、「彼女」などの性別を決めつけた言葉を使わないようにする、性の多様性を表す象徴として使われる「レインボーカラー」のグッズをさりげなく使用するなどによって、自分はアライであるというメッセージを発信することができます。

3 相談窓口について

性の多様性に関する相談は、ダイバーシティ推進センターの「性の多様性・SOGI相談窓口」で受け付けています。窓口に寄せられた相談は、相談者の秘密やプライバシーを厳守の上、相談の初期対応に当たります。

【ダイバーシティ推進センター 性の多様性・SOGI相談窓口】
Email:sogi-soudan@cc.niigata-u.ac.jp

学生のみなさんへ

本学では、学生のみなさんの様々な悩みや困りごとに対応するため、各種相談窓口を設けています。それらの窓口でも性の多様性に関する相談を行うことができます。
相談時は、相談者のプライバシーや秘密は厳守されますので、安心してご相談ください。相談窓口の詳細は、こちらのページからご確認ください。

また、どこに相談したら良いのか分からない場合や迷ったときは、「学生なんでも相談窓口」にご連絡ください。

4 性別情報の取扱いについて

本学では、本人の意図しない形でその性別情報が公表されることがないよう、本学が作成、発行する名簿や証明書、各種届出様式等については、「必要不可欠な場合を除き、原則として性別欄を設けない。」こととしています。
現時点で性別情報が記載されている書類等については、こちらをご確認ください。

※各書類等における性別情報記載の必要性については、引き続き検討を進め、上記ページの情報は、随時更新します。

5 通称名の使用、性別情報の変更について

学生のみなさんへ

(1) 通称名の使用について
所定の手続きを行うことにより、学籍簿等において「自認する性に基づく通称名」を使用することが可能です。手続きの詳細については、所属する学部等の学務担当係にお問合せください。

(2) 性別情報の変更について
自認する性に基づいて戸籍上の性別変更を行った場合には、本人からの申し出により学籍簿等に記載される性別情報を変更します。変更手続きの詳細については、所属する学部等の学務担当係にお問合せください。
なお、戸籍上の性別変更が行われていない場合における、学籍簿等に記載される性別情報の「自認する性」への変更の取り扱いについては、現在対応を検討中です。使用希望等がある場合は、「Ⅱ 3 相談窓口」に記載してある「性の多様性・SOGI相談窓口」にご相談ください。

教職員のみなさんへ

自認する性に基づく通称名の使用や性別情報の変更の取り扱いについては、現在対応を検討中です。使用希望等がある場合は、「Ⅱ 3 相談窓口」に記載してある「性の多様性・SOGI相談窓口」にご相談ください。

6 呼称への配慮について

本学では、学生に対する呼称を男女で使い分けず、「さん」に統一することを推奨しており、教職員等への周知、徹底を図っています。
特に、語学の授業等では、事前の確認や相談(MissではなくMr.として欲しいなど)により、要望に沿った呼称とするよう、配慮することを推奨しています。

7 多目的トイレについて

本学では、性別等に関わらず誰でも使用できる多目的トイレを設置しています。多目的トイレの場所は、以下のユニバーサルデザインマップのページからご確認ください。

8 その他

上記のほか、履修や授業(例:着替えが必要な場合の更衣室の使用等)、健康診断等、本学における修学上又は就労上、何らかの配慮を希望する場合は、何ができるかを共に考え、対応策を検討しますので、所属する学部等の学務担当係やダイバーシティ推進センターにご相談ください。

Ⅲ ガイドラインの改訂等

本ガイドラインは、随時見直しを行い、必要に応じて改訂していく予定です。

性別情報が記載されている書類等について

本学が記載を求める又は作成、発行する名簿や証明書、各種届出様式等(以下「書類等」という。)については、「必要不可欠な場合を除き、原則として性別欄を設けない。」こととしています。

令和4年10月1日時点で性別欄がある主な書類等は、以下のとおりです。
これらについては、性別欄の必要性に関して、今後も引き続き検討していきます。

【学生】

在学証明書、卒業(見込含む)証明書、成績証明書、健康診断証明書 等

【教職員】

健康保険・厚生年金保険 資格等取得(喪失)連絡票、文部科学省共済組合関係手続き書類 等

書類等にある性別欄の必要性のほか、本学における性別情報の取扱等について、分からないことや相談したいことなどがある場合は、ダイバーシティ推進センター宛にお知らせください。
(Email:sogi-soudan@cc.niigata-u.ac.jp)