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学長メッセージ

令和5年度秋季入学式 学長告辞

入学生の皆さん、ご入学まことにおめでとうございます。新潟大学を代表して心よりお祝い申し上げます。

さて、皆さんの入学の日に、私から三つのことをお話しします。

まず、夢と希望の話です。皆さんは今、未来への様々な夢と希望を胸に抱いて、この入学の日を迎えておられることと思います。夢と希望は、人間が生きるための原動力です。それを皆さんは今、言葉にできますか?もしかすると、まだぼんやりしていて言葉にならないかもしれませんが、意識的に思い描くことは大切です。そうすることで、少しずつ霧が晴れていくように、夢や希望が形になってくるのではないかと思います。どうかこの入学という機会に、自分の夢や希望について考えてみてください。

私は、大学というのは、皆さんの夢や希望を明確にして、それに向かっていくための基礎力を養うところではないかと思っています。大学の学びにおいては、答えのあるものばかりではなくむしろ、答えのない課題や問題に出会うことが多いでしょう。しかし、それは、私たちが解けない問題や予測できない問題に立ち向かう力を養うためのものです。つまり、大学というところは、単に知識を学ぶところではなく、それを活かして未知の分野に立ち向かう力を学ぶところなのです。どうか、今日の入学の日に描いた夢や希望を忘れずに、大学生活を送ってもらいたいと思います。

次に、新潟大学の理念についてお話しします。新潟大学の理念は「自律と創生」です。文字通り、「自律」は自分自身で立てた規範に従って行動すること、「創生」は新たなものを作り出すことです。新潟大学はこの理念のもとで、皆さんが在学中に「常に自身の規範を自ら立てて物事を考える習慣」を養ってもらいたいと願っています。

つまり、「自律と創生」の精神を言い換えれば、他人の真似ではなく、自分自身で物事をよく見聞きし、事実を自分の目で見極めて、正しく判断していく、そういう習慣を持つことです。そして、それは、新潟のシンボルでもある柳のように、あの柳の枝のようにしなやかで折れない「真の強さ」を持つことにつながっています。どうか、新潟大学での学生生活を通して様々なことを学びながら、この「自律と創生」の理念と「真の強さ」の精神を感じとってもらいたいと思います。

三つ目の話は、新潟大学の将来ビジョンについてです。新潟大学は一昨年2月末に10年後を見据えた将来ビジョンを策定しました。そこでは、直近の未来である2030年に向けて、新潟大学が果たすべきミッションを、「未来のライフ・イノベーションのフロントランナー」となることと定めました。

ここでいう「ライフ・イノベーション」とは、単に「医療・健康・福祉分野」に留まらず、21世紀を生きる我々の「生命」、「人生」、「生き方」、「社会の在り方」、「環境との関わり」と、それらの土台となる「地球」や「自然」についての新たな価値と意味を生み出すための革新を指しています。すなわち、新潟大学が目指す「ライフ・イノベーション」は、人類を幸福にするための革新のことです。

新潟大学は10の学部と5つの大学院のほか、研究所、大学病院、附属学校を有する大規模総合大学です。さまざまな学問分野のエキスパートが集まった「知の拠点」です。したがって、この総合力を活かして目指すものが「未来に向けたライフ・イノベーション」であり、新潟大学はそのフロントランナーになることを目指しています。

皆さんは、こうした環境で、自分の専門分野はもちろんですが、それに限らない様々な学びを得ることができます。また、海外の学生や研究者とのさまざまな交流もありますから、留学という機会もあるでしょう。どうか皆さんも「未来のライフ・イノベーション」のフロントランナーとなることを目指して、多様な出会いの経験をしてもらいたいと思います。

以上、夢と希望の話、新潟大学の理念の話、新潟大学の将来ビジョンの話をしました。

どうか、入学に際して、自身の夢と希望に向き合い、新潟大学の理念を胸に刻み、そして新潟大学の将来ビジョンを共有して、学生生活を有意義に過ごしていただきたいと思います。そして、つねに知的好奇心を持ちながら、学ぶことの大切さを忘れないで、入学時に抱いた夢に向かって進んでいってください。

改めて、皆さん、入学まことにおめでとうございます。心からお祝い申し上げます。そして、皆さんの大学生活が実りあるものとなることを願い、私の告辞とします。

令和5年10月2日
新潟大学長 牛木辰男