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石田准教授(人文学部)が「2009年度新潟大学人文科学奨励賞 阿部賞」受賞

 人文科学系における顕著な業績をあげた本学の研究者に対し奨励金を授与する「人文科学奨励賞 阿部賞」に,今年度は人文社会・教育科学系(人文学部)の石田美紀准教授が選ばれ,8月5日(水),人文学部長室で授賞式が行われました。受賞対象となった業績は,

石田准教授著 『密やかな教育〈やおい・ボーイズラブ〉前史』(洛北出版,2008年11月,365頁)

です。
 この賞は,2006年度に阿部洋一氏の寄附金を基に人文学部が創設し,今回で4回目を迎えます。

 受賞式では,阿部氏をはじめ,関尾人文学部長,桑原教授(人文学部研究推進委員会委員長)ら人文学部教員が参加し,関尾人文学部長の挨拶の後,阿部氏から石田准教授に目録が授与されました。 その後,石田准教授が受賞対象となった研究を10代の頃から続けていたことや,この著書がきっかけとなり他大学での集中講義の依頼が舞い込んできたことなど,和やかに懇談が行われました。


受賞の選考理由(人文学部研究推進委員会)

「 石田美紀氏『密やかな教育〈やおい・ボーイズラブ〉前史』は,70年代における現代日本サブカルチャーの黎明期に焦点をあて,サブカルチャー的少女文化の生成という観点から,マンガ,小説,映画批評など多領域にわたる女性表現者たちの実験や思索の軌跡,及びそれらを支えた雑誌媒体の役割を精緻に分析した労作である。石田氏は,時代に先駆け,既成の公的な制度の外で思考や表現を続けた作家たちの仕事を,同時代の文脈に丹念に位置づけ,その歴史的射程を再評価する。その分析手続きは周到かつ説得的であり,結果,本書で描出された日本のサブカルチャー生成史は,きわめてスリリングなものとなった。本書は〈女こども〉文化と呼ばれ,周縁に追いやられた文化の担い手たちの復権のための宣言であるとともに,〈サブカルチャー〉と〈文化〉という二項対立をめぐる私たちの通念を異化してやまない知的挑戦の書である。阿部賞受賞にふさわしい,人文学の新たな可能性を開く著作である。
 本委員会は,以上の理由により,石田氏に阿部賞を授与することに決定した。」

阿部氏(右)から目録を授与された石田准教授(左)

授賞式後の懇談