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「六花」巻頭インタビュー『これからの社会で果たす使命“知のゲートウエイ”』

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牛木学長が新学長就任にあたり思い描く、これからの地域社会や国際社会における新潟大学について伺いました。
※季刊広報誌六花第31号(2020年2月発行)巻頭インタビューから転載

大きな変革の時代における新潟大学の役割

複雑多岐な問題を抱える現代社会への思いを教えてください。

Society 5.0に象徴されるAIやビッグデータの時代に突入し、2045年には現存する職業の半分が無くなると言う人たちもいます。人類が経験したことのない大きな変革の時代を迎え、グローバル化はさらに進み、社会と国境を越えて世界の流動化は一層進むでしょう。SDGsという言葉が浸透しているように「人類はどう生きていくか」というのは大きな課題です。

牛木学長は、「大学の役割と個性はその土地柄と力強く結びついている」とお話しされています。

新潟大学が居を構えるこの新潟市は、本州の日本海側で唯一の政令指定都市です。豊かな自然と田園風景に囲まれ、江戸時代には北前船の重要な寄港地として栄えました。また幕末の開港5港のひとつとして世界に目を向けてきた歴史があります。このような背景を持ちながら日本有数の大規模総合大学として、地域と世界の発展に資する「知の拠点」の役割を担って邁進してきました。今年度で創立70周年を迎え、今後、さらに次世代の「日本の大学」の役割を常に考えながら、明確なヴィジョンと自由な発想のもとに、「個性と魅力」を見出し、それを強く押し出していくことが重要だと考えています。

活発な人材交流と頭脳循環を図り魅力ある大学を作る

新潟大学らしさはどのような部分で発揮されていくのが望ましいのでしょうか?

魅力的な学部教育と未来社会に資する大学院教育の強化は大前提です。それをふまえ、特徴ある研究の推進と融合的な研究を推進します。本学は脳研究所、災害・復興科学研究所という2つの附置研究所を持った研究志向の大学としても成長しています。また、大学の個性は地域連携のなかで発揮されるべきです。環東アジア研究センター、佐渡自然共生科学センター、日本酒学センターは、こうした理念で社会に開かれた学際的な研究環境の創成を目指すものの代表です。さらに新潟県全域の医療の中核を担う医歯学総合病院の健全な経営も重要です。グローバル化の中で大学の個性をさらに伸ばすための国際交流も進めていきます。

予測不能で「不確実な未来社会」を見据えて、国際社会の中で、地域も含めた社会の発展をイメージしながら、そのための高度な人材を社会連携の中で育成すること、それこそが「知の拠点」「知の自由空間」としての現代的な新潟大学の使命だと考えます。日本海対岸のアジアと、その向こうにある世界全体へと開かれた、特色ある日本の「知のゲートウエイ」としての役割をさらに明確にしながら、ますます活発な人材交流と頭脳循環を図り、特徴ある活動を展開し、魅力ある大学作りへ邁進したいと思います。

 

新潟大学長 牛木辰男

1957年7月生。糸魚川市出身。
1982年新潟大学医学部医学科卒業、1986年新潟大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。
専門分野は顕微解剖学。
医学部教授として活躍。
2014年から医歯学系長、医学部長などを歴任。2018年には理事(国際担当)・副学長。
2020年2月1日より新潟大学長。
趣味:絵を描くこと・連句・パスタづくり
座右の銘:不易流行

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